Robert Frank: Books and FIlms, 1947-2016 展 クロージングイベント @東京藝術大学 陳列館 2016/11/24
先日ブログに書かせていただいたRobert Frank: Books and FIlms, 1947-2016 展の
クロージングイベントに行ってきました。
dailyclubselect.hatenadiary.jp
展覧会の最後を飾るイベントは3部構成
やはり主催者の意図通り 展示作品を破壊するというパフォーマンス。
ただ、それだけでは終わらなかったのだけれど。
まずは第一部
今回の展示は東京芸術大学 陳列館の1階、2階での開催。 そして、第一部の舞台は陳列館の一階。
照明を落とした会場で
黒い衣装を着た二人のダンサーが
ロバートフランクの作品を
引き裂いていく。
豊かなメロディというよりはビートと無機質な電子音が響く美術館の中で作品が壊されていくのはそれだけでもカタルシスがあるのだけど
ダンサーのハラサオリさんが 写真の紙を展示している什器の柱にぐるぐると捻って巻きつけていく
のを見たときに 戦慄を覚えた。
「あーこうやって俺たちも捻られて死ぬんだ」みたいな。 そんなことはもちろん起こらないのだけれど
破るとかクシャクシャにするというのは予想していたのだけれど
捻るのいいですね。
岡本優さん
二人のダンサーがシンクロして動く様子も面白かった。
いいパフォーマンスだなと思いました。
第1部 「uninstall / disassemble」
演出:ハラサオリ
出演:岡本優、ハラサオリ
音楽:マーティヒックス
照明:伊藤侑貴
第2部は破壊尽くした一階の展示会場に風船を持った
白い衣装のダンサーたちが現れ二階に観客たちを誘導していく。
二階について見るとすでに二階はアレンジされていて
会場に渡されたロープの上に作品が洗濯物のようにかけられている
そして下には CD、にぬいぐるみ 皮のポーチなど
色とりどりの小物が配置されている。
そのオブジェ化されたフランクの写真をダンサーや新しいメンバーが加わりながら今度は落書きをその上にしながら台無しにしていく。
五歳児が部屋中に落書きをしているようで
心地いい。
そしてロバートフランクの作品は
破られ、落書きされ丸められ
意味のない破片の固まりになった。
第2部
出演:大橋いくみ、楊博、東京藝術大学コンテンポラリーダンス部 2名
第3部
破片にしただけで終わりにしないのが流石藝大
「ここからワークショップを始めます。」
というアナウンスのもと 参加者も自分の作品を
ロバートフランクの作品の破片と散らばっているさまざまな小物を使って作品を作って題名をつけて欲しいと言われる
めいめいに テープだったり、敗れた新聞紙に落書きしたりして 作品をつくる。
壁に飾られた作品
そしてその作品も名前を発表すると 展示会場の奥に設置された巨大な透明のゴミ箱に放り投げるのだ。
そしてその透明なゴミ箱が 私たちとロバートフランクの、共作でいっぱいになった時
ワークショップは終了する。
それはロバートフランクを消化して新しい作品ができますようにという儀式にも思えた。
このフィナーレ以外にも、展示中にはたくさんイベントがあり
シュタイデル社の社長ゲルハルト・シュタイデル氏のデジタル時代の紙の本の意義を語る講座や
鈴木理策×松下計さんそして学生代表の内山曜一郎さんのロバートフランクの講義も面白かった。
シュタイデルのアーティストと共同で写真集を作成する方法や
1日のスケジュールなどが面白かった。 毎年作成されるクオリティの高い
カタログも魅力的だった。欲しい 本当に。
鈴木理策×松下計さんのお話されていた
ロバートフランクとウォーカーエバンスの関係や藝大の学生が作成した
日本向けのカタログの写真を誰が撮ったんだとロバートフランク本人が気にしていた
という話は刺激的だった。
ロバート・フランクの『The Lines Of My Hand』を編集したのは元村和彦
ロバートフランクの現在のアシスタントの方も確か日本の方だった気がする。
縁が深い本当に。
学び新しい刺激をもらい参加できる素晴らしいイベントでした。 藝大、シュタイデル、ロバート・フランク ほんとにありがとう。