アフター昇太。 笑点の若手落語 と2020年の笑点
先週、今週と行われた若手大喜利
が面白かった。
それは笑点の回答者の司会のあり方の分かれ道を指し示したからだ。
1日目の司会は円楽師匠
あの司会になりたくてしょうがないのになれなかった腹黒落語家だ。
それなのにいざ司会をしてみると固い。
緊張感が画面越しにと伝わってくるようだった、珍しい。
意外と素直な人なのかもしれない。
そして、歌丸さんだったら絶対に座布団をあげているお世辞を言う回答者に厳しい。
お世辞はダメだとピシャリ。
これは金権利座布団政治への明らかなアンチテーゼだ。 でも、あえて色を出したお世辞への対応以外は歌丸師匠をなぞる司会の型だった。
2日目は意外にも林家さんぺい師匠
こちらは
学級崩壊とも揶揄される
回答者が司会をひたすらにいじるスタイルだった。
お前よりお前の嫁とのみたい
司会をしてるのも親の七光り
と言いたい放題。
ただこのスタイルは現状の昇太さんの司会に近い。
昇太さん自体も結婚できない滑舌が悪い
など散々に言われながら笑いを取る司会。
司会が一歩下がって 回答者が前に出る民主的なスタイルだ。
一方円楽師匠の司会はあくまで司会者が全体のリーダーとして番組をとりしきり反抗者には制裁を加える独裁者的司会だ。
カリスマ的な司会者による一党独裁の番組スタイルでいくのか
ボトムアップの昇太ー三平スタイルの回答者全員が主役として時に無政府状態になりつつも回答者全員が持ち味をより出していく民主的なスタイルでいくのか
どちらの司会が東京オリンピックを見据える21世紀の笑点のスタイルになっていくのかその試金石が今回のように見える。
そして、回答者としての若手落語家を見回してみると
それぞれがうまい回答をしようというよりは
自分のキャラクターを理解してもらおうとする
アイドルのような自己紹介色の強い回答が目についた。 食いしん坊、講談師、立川流の毒舌、関西から刺客、それぞれ色はあるが出色なのは
わさびの病弱キャラクターだろう。
表現の幅も点滴から飲むならお酒じゃなくサプリメントといったり 表現が多彩で
全員が推す中でふっと身を引く噺の軽さと一段落とした声のトーンがとにかく目を引く。
正直テレビ映えするとは思えない 容姿の花のなさを存分に強みに代えている。
線の細さと緑色の着物はやはり障害名誉司会者の桂歌丸師匠を思い出させて かつてのファンの胸を熱くさせる。 あとは少し髪が薄くなってくれればもういうことはないだろう。
そして、講談の貞鏡さんもいい。
美人だけどあまりに長い答えと押しの強さが
残念なモテない美人に見えるのだ。
このキャラも、タラレバ娘のように
うけるのじゃないか。
このように若手大喜利は
人気の薄い三平の代わりのメンバーを探すのか
もしくは、
アフターオリンピックの笑点の司会のスタイルを占うのか 様々な見方のできる面白い企画だった。
また見たい!