かむちんとカレー

なぜだかふとした時にかむちんが風に吹かれている様子が浮かぶ。
少し眩しそうに目を細めたかむちんが、風に吹かれている。
かむちんこと鎌田紘子さんはここしばらくカレーにハマっていた。
その趣味が高じて、自分でもカレーを作った。
それが『カムチンカレー』だ。
最初のロットはすぐ完売してしまって、次の入荷までなかなか買えなかった。聞いたら手作りの工場で作っていたのであまり数が作れなかったらしい(それでもかなりの個数を作っていた)。
カレーなんだけど果物がたくさん入ったフルーティな味。「辛い!」とか「濃い!」とかのシンプルな味ではなく、野菜や肉、果物が組み合わさって、その風味がレイヤーのような何層にも重なっている。しっかり旨みがあるのに、身体にも良さそうだなと感じる味だ。
かむちんはかなりの頻度でカレー屋さんに通いながら自分が1番好きなカレーの味を作ったと言っていた。
カレーを作る工場も本当に自分で選んで相談しながら作っているみたいで(たしか)今は3代目の工場で作っている。ようやく増産できるようになったみたいで前より買いやすくなったみたい。本当に美味しいからぜひ食べてみて!
カムチンカレー
かむちんはアンドメリーというお店をやっているんだけど、それを今年の6月末で閉店させる予定だった。でも、お店のファン(おれもだけど)がとても残念がって延長してよと散々言っていたら、ある日お店の延長を決めてくれた。その時、お店の従業員もすごく喜んでいたのが印象的だった。みんなに大事にされているお店なんだって思った。
お客が色々言うのは勝手だけど、都内の一等地にお店を出し続けるって簡単なことじゃない。それをエイやって続けるって決めるところがやっぱりこの人オーナーなんだなと思った。
カッコいいぞ、かむちん!
オーナーだから大事なことは自分で決められる。逆に言えば決めなきゃいけない。良いことばっかじゃない。でもこうやって自分で決めながらかむちんは生きてるんだなと思った。
かむちんは服をほとんど全部捨てたと言っていた。冬服もう一枚もないって言っていた。グラビアアイドルでもあるから常に新しい服を着続けるのはいいなと思った。どうしても服のデザインは流行りがあるからあのスーツは良いものだろうな、でも少し型が古いなみたいに感じちゃうこともある。
だけどかむちんが服を捨てるのは、単に流行を追っているだけではない気がした。
何かを振り切っているようにも思えた。前に進むために何かを振り切って強制的に新しい世界に進もうとしているように見えた。
だから、俺のイメージの中のかむちんはいつも風に吹かれている。”blow in the wind”。古い世界を風で吹き飛ばして、風に飛ばされないよう細い背中をしっかりと伸ばし前を向きながら。かむちんの答えはきっと風の中に舞っている。
OpenAIのマーケ。
最近、OpenAIにすごく良いマーケッターが入ったんじゃないかという噂を聞く。 で、俺もそうなんじゃないかと思っている。
OpenAIって元々超優秀なAI研究者たちの集まりでYコンビネーターの元代表が社長っていう超絶テッキーな会社だったのがなんから最近変わってきている気がする。
まずブランドロゴとフォントが変わったんだよね。派手な変更ではないけど抑えが効いていて親しみのあるデザインになった。あの会社の商品ほとんど文字だからこれはとても効いた。
そしてAGIとか人間の知性を超えるとか中二病みたいなこといっていたのがGPT4.5という人間の知性に近くてより人に寄り添うモデルを出してきた。このモデルは話しやすくなんでも話せそうな気になる。
あと画像生成のジブリ風ね。著作権をギリギリで守りつつみんなが試したくなるサービスを出してきた。これもちょうど良い。イーロンマスクの中2感がロケットみたいにひたすは加速する一方なのと比べるとその違いがとても良くわかる。
この辺でなんか変わったなーと思ってたんだけど確信に変わったのは今回だ。
それはchatGPTがチャット履歴を記憶して自動的に回答に反映させるという機能。
これユーザーのチャット履歴を自動的に記憶して削除するのはひたすら面倒くさいというかなり情報セキュリティ的にはどうなんだって機能。
でもさ、これ使うと私についてchatGPTが私とのチャットをベースに私がどんな人かを魅力的に語ってくれるわけ。
おれのチャットは価値観と知識欲と愚痴と必死で何かを作ろうとしていることの小さな小さなサグラダファミリアだから、これを見せられたらグッときてしまった。
いいよいいよ、データ使って! ほんとたいしたこと言ってないし。 そんな気持ちにさせられた。
こういうテッキーなだけではなくて人の気持ちに 寄り添い上手くそばにいる機能を出してきたのはテクノロジーだけでなくてマーケティングをむちゃくちゃ分かっていてしっかり狙いを実現できるスタッフが入ったからだと思う。OpenAI すごいよ、そしてやっぱりちょっと悪いやつだよ。
ゴジラ -1.0(ゴジラマイナスワン)の好きなとこ、どうしてもいやなとこ。
ゴジラ−1.0 CG、VFXが素晴らしい。白組、ARTONE FILM、さらにスクエニまでが加わってる凄みを感じた。真夜中じゃなくて昼間にいる「ゴジラ」をスクリーンで観れた。 一方、脚本は少しあざとさを感じてしまった。分かりやや伏線を作るために流石にそれは。。と思うような展開が多く、そしてその脚本を成立するさせるくらいの演技力がはおれにはわからなかったな。。ただ、気になるところは多数あるけど構成としては見るべきものがあったのかもと思う。 1番気になったのは反戦的な要素がこれだけあるにも関わらず、実際は好戦的というか大きな大義や美談のために喜んで個を犠牲にしていくことが美しいとされるように感じた事だ。ここに男の小さなプライド、自意識が絡みつくと簡単に小さな後悔を持つ人がカタルシスを得られるような戦争讃歌が生まれる。それがすごく嫌だった。ただリバイバルされ使われた伊福部昭さんの楽曲も素晴らしかったし、これからの邦画の可能性みたいなものも感じたのも本当なのでなんとも言えない気持ち。
ビートルズが2023に新曲を作るなら。『The Beatles 2023』
あのビートルズが2023年に新曲を作るならどんな曲になるんだろう? 音楽的にはどんなアプローチだってできる。どんなプロデューサーとも組めるし、トラップやドリルやエモやポップパンク•リバイバルの要素だって取り込める。だから2ビートルズが何を選択するのかが気になっていた。
その答えは喪失感を歌うミディアム•バラードだった。1970年ごろに『ジョン•レノン』が作詞作曲した曲に、彼の声をデモテープからAIで抽出し、ポールがコーラスを加え、リンゴがドラムを叩いて完成させたものだった。喪失感を歌うこの曲は実は、失われたはずの70年代の空気を最新のエッセンスではなく、最新の技術で鮮やかに蘇らせたものだった。
シンプルなメロディが繰り返されながらエレキギターやストリングをまといながら次第に厚みを増しながら展開していく。ただ繰り返す度に壮大になっていくというよりは緩やかに川幅を広げていくような曲だ。「Rubber Soul」に入っていてもおかしくないなと思う間違いなくビートルズの最新曲だった。
https://open.spotify.com/track/4vziJcnB2Qyi9o4nIRUeN7?si=n5SzeokfQv-vdgR47qdozQ
10年で終わった(気がする)渋谷ハロウィン
渋谷のハロウィンを配信で見たら仮装している人もほとんどおらず警備している方々の方が多いくらいに見えた。調べてみたらちょうど10年前に写真を撮りに行っていて、その突然奇妙な夢が現実化したような盛り上がりに驚いたのを今でも覚えている。その後はどんどんイベント自体が年を荒れていってしまい、区長の「渋谷はハロウィンの会場ではない」という発言とともにもう終わったんだなと思った。
記事によるとセンター街に来た人はピークの40,000人から大きく減り15,000人ほどだったと言う。
一方、池袋はでは二日14万人集めた池袋ハロウィンフェスティバルが開催される。しかも有料イベントだから 入場収入だけで3億5000万円。加えて飲酒か遠くの人向けホテル、衣装などあるから経済効果それ以上。渋谷もライブハウスとかクラブハウスとか連携したサーキットイベントとかでちょうど良い着地点みつけられてたらなとふと思いました。 企業と公共と時代の変化をうまくキャプチャーできたらな。
またこういう変化がこれからいくつもあるんだろな。
イーロンマスクが考えるAIを正しく発展させる方法 イーロンマスク自伝レビュー
Twitterの買収後のあれやこれやと、ソニックマニアでの立ち振る舞いで、正直印象最悪だったイーロンマスク。ただ、スティーブジョブズの伝記も素晴らしかったウォルターアイザックソンの伝記だったので迷いつつ購入。結果大当たりだった。
ジョブズの伝記同様膨大なインタビューの積み重ねでイーロンマスクという人物を紐解いていく。
イーロンマスクの人生を追っているだけでインターネットの歴史を最新地点まで追えるような本になっていてとにかく面白い。
それにもう10年前にChatGPTのOpen AIの会社立ち上げていることにも参加しているのに驚く。もう、AI成熟してきてるタイミングなのかもな。
そりゃ今は脳にチップ埋め込もうとするよな。。
そして、AIを正しく発展させるにはたくさんの人がAIを使えるようにする必要がある。だからそのためにはLinuxのようなオープンなAIが必要になるという話はまさにそうだなと思ってしまった。
かなり若い頃からスペースシャトルなどへの機械工学とインターネットを使うサービスのためのプログラミングの知識もベースとして持っていることも分かって良かった。マネーゲームだけの人では無い。
膨大な知識を元に他人が難しいということを疑い抜いて、余人では実現できなかったであろう電気自動車、民間のロケット、衛星でのネット通信など新しいプロダクトを息を吐くように作ってきた人ではあるんだと分かった。
ただ、だからこそ常識みたいなものとはとことん合わないんだろうなとも思った。一緒に働く人がどんどん消耗していくのも繰り返す離婚もさもありなんと思ってしまう。それにこの人をまねた起業家もかなりいるんだなというのが知れたのもよかったかとしれない。
イーロンマスク本人が語るような間違いなくADHDなのだけど、その原因かもしれない過酷な幼年期、少年期とその中でも自分の人生を掴みとってきた人でもある。
まだ上巻でこの情報量。下巻も楽しみ。
出来るだけ遠くから見ていたいと思うけれど、ちょっとイーロンマスクの印象が変わる(それも彼の狙いかもだけど)とにかく面白い本だった。
万引き家族とケイト・ブランシェットとインビジブル ピープル
少し前のカンヌの審査委員長はケイトブランシェットだった。その時に話した言葉をなぜか最近よく思い出す。彼女は、「今回の映画はインビジブルピープル(見えない人々)を描く映画が多かった」と語った。
なぜ、ケイトブランシェットの言葉がずっと引っ掛かっているのかを考えている。
映画が時代を切り取るとはどういうことだろうか。 たしかにそこにいるにもかかわらず、社会の中で語られなかった人々を、作品の中で浮かび上がらせることなんじゃないかと思う。
『パラサイト』『万引き家族』『ジョーカー』
はそういう作品だったように思う。 上映当時を知らないから、わからない部分もあるのだけれど『タクシードライバー』もそういう作品かもしれない。
彼女が言う『見えない人々』が表れる時代とはどういう時代なんだろうか。
イーロンマスクやスティーブジョブスのような時代を牽引するスターはよく見える。
だからどんなに過去の世代と違っていても、新しく世の中を変化させ、引っ張っていく人が見えないわけではない。
で、あるならばむしろ、時代の変化が押し出し、傷つける人たちこそが見えない人々になるのではないか。
そのような人々を目の前にいるかのように描くこと、そしてそういった人々を描くことを通じて、現代を浮き彫りにすること。
それが優れた作品が実現していることなんだと思う。 だから、それを突きつけた彼女の言葉が心を離れないんだなと思う。
ただ、それだけがこの言葉を思い出す理由ではない。
もう一つの理由はきっと、治安の良かったはずの日本で教科書で見たような事件が起きていることだ。
何かが利用し傷つけながら「見えない人々」にされてきた人々
そのことがきっとこの言葉を何度も何度も思い出させたんだろうな。