何者 浅井リョウ
twitterでだれかが
若いっていいなってみんな言うけど
朝おきて16歳になってたらめんどくさくて
二度寝するって書いていた。
そのことを思い出した。
若いってしんどいなと思った。
自分の将来も恋愛の行方も決めなければ
行けない上に勉強だってある。
そして少しづつ違う同年代の仲間や家族の状況
や期待が横目に見える。
やること、決めることがあふれているのに
圧倒的に経験不足なんだ。
SNSの使われ方
SNSが隠すもの明らかにするもの
の描写が面白い。
ある種のSNSをしかけに使いながら
読み手をぐいっと物語に引き込む
仕組みは面白かった。
小説のなか出てくる場面というかシーン
は同じなのに
会話の動きで物語が展開していくのが
舞台脚本に近いように感じた。
劇作家、映画監督の 三浦大輔が演出しているところも
そのような原作の在り方が関係しているのだろう。
「何物」かになりたくてでも「何者」でもなかった頃の気持ちを
思い出させてくれるだけでも
面白い小説なんだと思う。
そんなことを思ってたことさえすっかり忘れてたんだから。